釉薬の種類

こちらは、釉薬(ゆうやく)についての説明です。

やきものの名称では、最初に加飾技法の種類がくることが多く、その代表的なものに釉薬(ゆうやく)があります。

釉薬の分類には火度による分類・成分による分類・結晶の出方による分類・色による分類などさまざまな分類の方法があります。

沢山の種類の釉薬によって「やきもの」がより魅力的なものへ変わっていきます。


自然釉(しぜんゆう)について

釉薬の中で最も古く、その名の通り自然に生まれたのが「自然釉」です。人の手で施釉するのではなく、焼成中の素地に灰が降りかかり、それが溶けてガラス質に変化することで釉薬が自然発生します。窯の種類や大きさ、焼成方法などの条件によって、色や質感がさまざまに変化するため、その偶然の産物による芸術作品を追求する陶芸家も多くいます。


火度による分類

釉薬は溶解温度によって2種類に分類されます。

高火度釉

1,100度以上の高温で溶ける釉薬。陶器・磁器に使われます。

低火度釉

800~900度の比較的低い温度で溶ける釉薬。鉛釉などがあります。



成分による分類

釉薬の基礎成分は、ガラス質の成分や粘りをもたせる成分のほか、媒熔剤や呈色剤といった成分に分けられます。

媒熔剤

釉薬の成分を溶けやすくする剤の種類による分類では、灰釉、鉛釉、長石釉、石灰釉などがあります。

呈色剤


色による分類

緑釉、黄釉、褐釉、黒褐色など色によって分類されます。

酸化焼成か還元焼成かによって、同じ釉薬でも仕上がりの色が異なります。

釉薬による色の変化を追求する陶芸家も多くいます。